有明農業歴史資料館(志布志市)
曽於郡志布志町と松山町それに有明町が加わり、合併して「曽於市」
が生まれたが、旧有明町にもともとあった農業歴史資料館が、市制を
記念してリニューアルオープンした。
志布志市役所(旧有明町役場)に隣接する広々とした敷地に、資料館
をはじめ伝習館、体験館、開田の里公園が併設されている。
資料館は一番奥にあり、主として「蓬原開田」と「野井倉開田」を取り
上げて解説している。それぞれの中心人物は「馬場藤吉」と「野井倉
甚兵衛」だが、二人は義理の兄弟である。
明治初年に生まれた二人が共通して目
指したのは、蓬原(ふつはら)地区と野井
倉地区への導水であった。
二人は協力し合い、主に藤吉(右の人物)の努力で蓬原地区が昭和5年ごろに、主に甚兵衛(左の人物)の努力で昭和28年にそれぞれ通水を見、広大な水田が拓かれたのであった。
後者は実に60年の歳月をかけている。
資料館にはこれらの開田資料ばかりではなく、考古資料も展示されて
いるのだが、中でも人目を引くのが銅矛だろう(右)。長さ70センチは優にあるこの銅矛は北部九州のものとほぼ同じで、向こうから招来されたようだが、見渡す限りシラス台地の広がる有明地区で発掘されると誰が思ったであろうか。
農業資料館 開館時間 8:30〜17:00
休館日 毎週月曜日
12月29日〜翌1月3日
体験館 開館は上と同じ
使用料 市民 一泊 300円
市民以外 同 1000円
問い合せ 志布志開田の村管理組合 099−471−4343