新川西の田の神
東串良町の二ヶ所ある肝属川右岸(南側)のひとつ
下伊倉地区(もうひとつは俣瀬橋の南に広がる俣瀬
地区)の集落の中にある。
何百といっていいほどある田の神で県指定の文化財
になっているのは20体、大隅半島では7体しかない。
新川西の田の神は地元では「下伊倉の田の神」の名
で親しまれており、集落中ほどから高山町の野崎へつ
ながる道の途中、右側にある。
高さ96.5センチの立像で、八の字の口元、細い目の
穏やかな顔立ちである。右手にメシゲ、左手には宝珠を
持ち、瓢箪と木の葉状の団扇をぶら下げている。線刻の
美しい田の神である。
背面には
『文化四(1807)年卯三月吉日 奉寄進 和田門
次郎兵衛 下伊倉 組中』
と刻銘してある。
なお、旧高山町「野崎の田の神(2体)」(県指定)が南へ
約1キロの所にある。