
山宮神社の裾を流れる串良川をさかのぼり
旧鹿屋市に入って間もない高隈地区に鎮座
するのが中津神社で、祭神は中津ワタツミ神
いわゆる住吉三神(上津・中津・底津ワタツミ)
の一柱だけをまつる。
写真の本殿は承応2(1653)年に造営され、社
造りの古式を残すということで県指定の有形
文化財となっている。
拝殿から見る本殿
高隈の中津神社といえば2月に行われる「鉤引き祭り」が有名である。下流の山宮神社でも
行われるが規模と勇壮さではこちらにはかなわない。
祭りの趣旨は豊作への祈願つまり予祝儀礼だが、山から切り出したクスやタブの木で一本
は二又、一本は三つ又の部分を残し、三つ又の方は一枝を短く切って男根に見立てる。
この男根の部分を二又の間にかませて双方から引き合う。三回引き合って勝ったほうがより
豊作になるだろうというわけである。
綱引きならぬ「木引き」だが、丸太のような木の幹を抱え、焼酎をやりながらの勝負なので罵
声が飛び、ときどきおやじギャグが飛び交うという早春の激しいながらも長閑な神事である。

ななかりおさたぬき神社という滅多にお目にかからない
神社名で、祭神は狩猟の神(山の神)かと思えばそうで
はなく、別雷(ワケイカズチ)命で雷神であり雨を降らせ
る神(農業神)とされる。
ワケイカズチを祭る神社では同じ鹿屋市串良町の万八
千神社があるが、こちらのほうが由来は新しい。
樹齢900年の大楠と拝殿
神事で著名なのが「しか祭り」で、鹿屋市の無形民俗文
化財に指定されている。神社創建以前の狩猟儀礼の遺
風を今に伝えているとされる。
境内の西の宮には七面の「鼻高どん」が祭られているが、これが神社名にある「七狩長」の由
来だろう。「田貫」は「田主」に違いなく、狩猟と農耕祭祀が融合されて神社の創建になったと
おもわれる。